さて、今回も読めないQRコードと、それを作らないようにするためのテクニックにについて語ろうと思う。
前回読めないQRコードに関してほとんどの読めないQRコードは縮小と拡大の失敗によって出来上がる、と述べたが、前回説明した2番目の失敗「マトリックス部分がにじんでいる」も基本的にはこの縮小と拡大のミスによって起きていることが多い。
つまり、前回述べたことをきっちりと、QRコードの生成から印刷の工程まで守れれば、QRコードで読み取り不可の物は、俄然少なくなるはずである。
しかしそうは問屋が卸さないために、この講座はまだまだ続くのである、まだまだと言いつつ、今回で終わってしまうかも知れませんが。
「にじむ」QRコードはどうして出来てしまうのか?
QRコードはキズや汚れにも強く、そしてあらゆる方向から読み取ることが出来る、素晴らしいバーコードだ、しかしマトリックス構造自体が縮尺や拡大でおかしくなると、ほとんど読み取れないことは前回説明したとおりだが、QRコードのマトリックス構造がにじんでしまっても、やはりQRコードは読み取れなくなる。
やはり主な理由は縮小と拡大時のミスである
QRコードのマトリックス構造の縮尺比がおかしい故に読み取れないのは、縮小と拡大のミスだった。
そして、QRコードがにじんでしまう理由も、ほとんどの場合、縮小と拡大のミスである。
ただ、これは主にフォトレタッチソフト上で起きるのである。
たとえば作ったQRコードを前回述べたのと違う「ゆがんでしまう」縮尺比で、そしてカラーモードをインデックスカラーや白黒二値ではなく、グレースケールやRGBカラー、CMYKカラーなどの色空間で縮小拡大して欲しい、するとどうなるか?
わかりにくければ、黒と白の境目部分をルーペツールなどで拡大して欲しい。
そう、黒い部分が白い部分と境目でにじみ合ってしまい、境目がグレーのような色になっていることが解るだろう。
これはフォトレタッチツールの拡大縮小時に使われる機能で、「アンチエイリアス」という。
これがあるおかげで、文字や図形、線画などを拡大縮小したときに、出来るだけ自然に見せることが出来るのだ。
しかし、この機能はQRコードの作成に関して言えば邪魔者なのである。
と言いたいところだが、実のところフォトレタッチソフトのアンチエイリアス機能を外したモードで拡大縮小しても、結局は正しい拡大率、正しい縮小率でQRコードを扱わないと、結局の所はゆがんだ読めないQRコードになってしまうだけなので、読めないQRコードの一つに「にじんだQRコード」があるとは言っても、結局は前回と同じく縮小拡大でミスをしたQRと言う意味では一緒なのだ。
と言うのも、フォトレタッチソフト上でアンチエイリアス機能をonにして縮小拡大しても、きちんとした率の数値入力であれば、QRコードはにじまないのである。
画像の中にQRコードを入れる場合、元の画像の縮小や拡大などが終わったあとに、一番最後に配置するというのが、一番正しい方法論だろう。
実はそれ以外にもあるにじみとその対策
実はそれ以外にもQRコードが作成上にじんでしまうことがある。
これは主に、縮小拡大ではなく、「印刷上のミス」である。
どのようなことが原因かというと「版ズレ」が元になって起きることが多い。
版ズレとはどのような物か、わかりやすく言うと多色刷りの版画を思い出して欲しい、2色の違う色の版画を重ね合わすときにわずかでもずれると、絵がぶれてしまう、あれと同じことである。
実際の印刷の世界でも、多色刷りやフルカラー印刷の時には、このようなことが起きやすい。
しかし、日本の印刷技術は、世界水準で見ると高く、版ズレは非常に起きにくい方だと言えるだろう、だが、QRコードは精密なバーコードであるために、写真などでは余り気にならない程度のズレも、QRコードにとっては致命的になることがあるのだ。
それでは、このようなQRコードが版ズレを起こさなくするためにはどうしたらいいかというと、それは「QRコードに使われる版を1色だけにする」ことである。
だが口で言うのは簡単だがこれが意外と難しい。
元々が一色刷であれば問題がないし、多色刷りでも、より色が濃い色のインキ1色でQRコードを印刷すればいいだろうが、問題はフルカラー印刷時の画像に含めるQRコードである。
フルカラー印刷においては全ての色をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)という色の三原色にK(黒)の4つの色で表現しているのだが、たとえば生成時点では確かに黒一色だったQRコードを、画像に含めて印刷まで出したら、黒以外の3色も混ざった形で印刷されてしまう、と言うことが良くあるのだ。
たとえば、これは手元にPhotoShopなどのCMYKが扱えるフォトレタッチソフトがある人は試して欲しい。
RGB、インデックスカラー、白黒二値のモードで「完全な黒」の矩形なり円なりを作る、それを、CMYKの画像にコピーペーストして、スポイトツールで色を見て欲しい…そうすると…
何と我が家の環境、Photoshop CS2 RGBのカラーモードはAdobeRGB(1998)、CMYKのモードJapan Color 2001 Coartedと言う色モードでは、この完璧な黒だったはずの黒の矩形は C93 M88 Y89 K80 という、4色の色が混ざり合った黒になってしまった。
このような色変換は、写真やイラストなどで、黒の深みをフルカラー印刷上で出すには良いのだが、文字や単純な黒い線やバーコードなどでは版ズレしたときに見栄えが悪くなるだけなのだ。
おそらく、色変換時のプロファイル設定などで回避も可能なのかも知れないが、私ならこうするという方法がある。
- まずQRコードを一旦CMYKに変換する
- 色域指定で黒い部分を選択する
- K100%で塗りつぶす
- それから改めて目的の画像(CMYKのみ、印刷の場合はRGBの画像に貼らないでください、CMYK変換時に結局同じミスを犯します)に配置する
これで、問題なく完璧に黒一色のQRコードがフルカラー印刷上でも使えるようになり、版ズレによる画像のにじみ、ひいては読めないQRコードが出来上がってしまうことを防げるというわけだ。
さて、今回も長文になってしまったので、次回へと続けることにしよう。
今回のまとめ
- にじんでしまい読めなくなっているQRコードの出来る理由のほとんどは、前回同様間違った拡大率や縮小率による失敗だ。前回のまとめを参照して欲しい。
- 次に印刷上のミス、これは多色印刷やフルカラー印刷時に、QRコードの版を作るときに一番インキの濃い色一色になるように画像を作ろう、ただし、CMYK画像の中に黒一色の色を入れたと思っても、黒一色以外の変換をされてしまうので、一度QRコード自体をCMYKにして、黒い部分を完全な黒100%に置き換え、その後CMYKの画像に貼り込もう。
と言うわけで、次回もまだまだ続きます。
こんな長くする予定じゃなかったんだけどなぁ(笑)

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